ログラインとは?シナリオを一行のアイディアから誕生させよう!
ログラインという言葉をご存知でしょうか。
シナリオを作っていく骨組みを簡単に作ることができる手法のことです。
従来シナリオを作るのはドラマ、映画などの制作をする人や、小説家などの一部の職業だけでした。
ところが動画配信サービスで個人でメディアを作る時代になり誰しもがシナリオや脚本を作る機会が出てきています。
そんな時に一貫性のある面白いシナリオを作ることができるログラインの考え方をに身につけておくのはとても効果的です。
1:ログラインとは
ログラインとは小説やドラマなどのストーリーを最もシンプルに表したものです。
たった1行で、どんな主人公がどんなことをする話なのか、物語の主旨が簡潔にしめされます。
書くことは次の3つです。
「誰が」「どんな状況で」「どんな目的を持っている」です。
この3つの組み合わせで複雑なストーリーをシンプルに言い表すことをするのがこのログラインです。
小説などのストーリーを作成したり、シナリオを作る場合はこのログラインから作りはじめることがおすすめです。
その理由としては、ログラインを作り物語の方向性をハッキリさせておくとストーリーに一貫性を出すことができるので、結果的に作成がやり易くなるならですね。
例えば誰しもが知る物語のログラインを見てみましょう。
今回は例として『浦島太郎』を取り上げてみます。
・誰が:海辺に住んでいる少年が
・どんな状況で:助けた亀に連れられて
・どんな目的を持って:海底にある竜宮城に行く
というログラインになります。
このように、ほとんどの物語は、どのようなキャラクターの主人公が、どんなことをする話なのかということをシンプルに説明することができます。
逆にこのようにシンプルに表現することができないストーリーは読み手に伝わりにくいので、分かりにくいものになります。
2:ログラインを膨らませてシナリオを作るには
ログラインが決まったところで、ここからはそれを更にシナリオへと広げていく工程についてお伝えします。
ログラインは改めてお伝えしますが、「誰が」「どんな状況で」「どんな目的を持っている」のかを1行で書きだすことでしたよね。
そして、この3つをそれぞれ深掘りしていくとそれがシナリオになっていきます。
今回は特に物語の核の部分となる「誰が」、つまり主人公について膨らませてみましょう。
膨らませるコツとしては、3つあります。
まずは主人公に意外性のある二つのプロフィールを持たせることです。
例えば、「小柄なのだけれど怪力の持ち主」など、一見すると真逆に見える事柄を二つ合わせると途端にそれが個性になってきます。
その離れた2つのプロフィールを補完していく中でので物語全体のイメージが広がっていき、アイデアが浮かびやすくなります。
次に、より主人公を魅力的にしていくために行うのが「極端にする」です。
主人公の特徴や設定の一部を極端に過剰に盛ってみたり、プロフィールなどの一部を欠如させたりすることです。
例えば先程の「小柄なのだけれど怪力の持ち主」を極端にすると「赤ちゃんのサイズのように小柄だけれど、10トントラックを持ち上げるくらいの怪力の持ち主」となります。
その間にストーリーが見えてくるのではないでしょうか。
最後に「ずらす」というテクニックを紹介します。
これは例を出した方が分かりやすいので先程の小柄な主人公を使って説明をしていきます。
まず、主人公に『10トントラックを持ち上げるくらいの怪力がある』という設定を固定します。
そして、「もしその怪力を使えるのが特別な状況や、回数が制限されていたら」というふうに能力に制限を加えていきます。
より物語に深みと面白みが出てきそうですね。
今回の主人公ではログラインの3つのコツを使うと「赤ちゃんのサイズのように小柄だけれど、10トントラックを持ち上げるくらいの怪力の持ち主。ただしその怪力は1日に3回までしか使えない使用制限が付いている」となります。
あとはこの主人公に、どんな目的を持ってどのような状況で活躍させるかということを決めていきます。
そうすれば魅力的なシナリオの完成ですね。
3:ログラインが出てこない場合のトレーニング
どうしてもログラインが出てこない時のトレーニング方法をご紹介します。
まずは、大好きで詳しい物語を思い出してみてください。
それから主人公を思い出し、その人がどんな状況にいて、何をやっているのかを考えてみましょう。
あとはその反復でログラインの技術は向上することが多いです。
参考に有名な漫画作品で見てみましょう。
「猿の尻尾を持つ少年が、何でも願い事を叶える玉を集めるために、色々な強者と戦いながら冒険をする話」これは『ドラゴンボール』です。
このように有名な作品はログラインがしっかりしていることが多いので、ぜひやってみてください。
ログラインの手法をマスターして、素敵なシナリオを書いてみてください。