自分のスキルアップのために、あるいは会社からの要請から、セミナーへ参加をしているサラリーマン・個人事業主の方は少なくありません。
一口に「セミナー」といっても、自社Webサイトの構築方法だったり、マーケティングだったり、マルチレベルマーケティングに関するものだったりと様々ですが、都市部ならば毎日なにかしらの「セミナー」が開催されています。
一部資格が必要なものを除き、参加するのは簡単です。
しかし、彼らは何のために、そしてどうやってセミナーを開催しているのでしょうか?
■セミナーを開催する目的
・バックエンド
バックエンドをそのまま日本語にすると「後工程」ですが、セミナーにおいては
「後に商品の購入を予定に組み立てること」
を意味します。
例えば保険のセミナーなら、保険の仕組み、いくら帰ってくるのか、そして最適なプランの決定方法などをセミナーでレクチャーし、その後にセミナーを繰り返し、最終的に自社あるいは契約会社の保険を紹介するという流れ。
そこだけ聞くと随分怪しそうに聞こえますが、インターネットで何でも検索できる昨今、デタラメな情報は開示できません。
よって、セミナーの情報は基本的に有用です。
・営業手法のシェア
マルチレベルマーケティングのセミナーで頻繁に行われているのが、営業ノウハウの共有です。
ねずみ講とMLMは厳密には違いますが、世間的には同一視されており、友人・家族からの視線が冷たいのも事実。
「仲間」と集まって、士気を高める目的もあるようです。
基本的にはディストリビューター(販売員)しか参加できませんが、勧誘手法を除いた商品だけの紹介なら、「お客さん」でも見学できます。
商品自体の知識はあってもあまり役には立ちませんが、マルチ商法の成功者の演出方法は学ぶべきものが多いのも事実。
勉強だと思って参加してみても良いでしょう。
・自己啓発セミナー
保険や不動産のセミナーなら、十中八九がバックエンドを目的としたセミナーです。
しかし、自己啓発セミナーの場合はその限りではありません。
(「合宿」をバックエンドとしている場合もありますが、それらは少数です)
自己啓発セミナーは、近頃は「起業セミナー」あるいは「話し方教室」などと名を変えて開催されています。
「これが自己啓発セミナーの典型的な内容です」といったものはありません。
もっと言えば、「自己啓発」自体は悪いことではありません。
堀江貴文氏が、
「スキマ時間に仕事をしろ」
「自分の時間を奪うやつを相手にするな」
「電話をかけてくる取引先とは仕事するな」
と主張していますが、内容的には「自己啓発セミナー」で語られる内容と酷似しています。
大切なのは、自己啓発自体を目的化しないことです。
■セミナーを開催するには?
大前提ですが、セミナーを開催するには「タネ」が必要です。
しかし、セミナーで不動産や保険以外の話をしても良いことからわかるように、多様性が確保されています。
それほど心配するには及びません。
■場所の確保
貸し会議室などを借りる場合、安くとも2時間で2万円以上の支出になります。
10人集めるのなら、一人3000円を集めれば黒字になるわけですが、セミナーの広告をネットに打つ費用だったり、下準備などを合わせると、最低15人は集めないと継続性は見込めないでしょう。
もちろん、立派な会議室で開催すればハクはつきますが、大切なのは内容です。
■専門分野を見つける
セミナーを開くために、大学教授並の知識量は必要ありません。
必要なのは、一コマ分の授業が出来る程度の知識量です。
バックエンドにしろ、保険や不動産は高額なので売るのが大変ですが、小さな小物や旅行券をバックエンドにするのなら、それほど苦労しません。
(そして、個人事業主として旅行セットや安全靴を営業販売するのは、誰でも開始できます。極端な話、中古で安い懐中電灯を購入し、セミナー後に売るのも立派なビジネスです。)
また、現代アートのセミナーは、基本的にものをうる目的ではなく、未来に視野を置き潜在的なアートマーケットの拡大のために献身的な目的で行われているものです。
話は少しずれますが、芸術・文学領域のセミナーで、バックエンドや高額なセミナー料を要求されることはまずありません。
■ファンを作る
大学の授業の一コマを作るだけなら、優秀な頭脳を持っていなくともできます。
しかし、それではビジネスとして継続しません。
セミナーの講師は、メールマガジンやスポーツイベントの開催、また参加者を高級ホテルのバーに呼び出して、非日常的な感覚を味あわせ、より発現に説得力が伴うよう努力しています。
マルチレベルマーケティングなら、ファンが20人できればそこで「アガリ」に近い状態までいけます。
■まとめ
セミナーを開催するだけなら誰でもできます。
難しいのは、セミナーの受講生に毎回違う内容を紹介すること(少なくとも、1コース分は違う内容)と、口コミで評判を広げることです。
難しく考える必要もなく、どうしてもセミナー案が思い浮かばなければ、地元でやっているセミナーに参加すると良いでしょう。