訪問演奏会で何を演奏すべきか? シチュエーション別考察
訪問演奏会という言葉をご存知でしょうか?
その言葉の通り、訪問して演奏することですが、主には老人ホームや保育園・幼稚園・小学校・地域コミュニティのために演奏することを指します。
ポップスやロックが演奏されることもありますが、九割以上がクラシック音楽となります。
おおまかなイメージで、「オーケストラや室内楽団、個人の演奏家が、ホール・ライブ会場以外の場所に赴き、普段はクラシック音楽に触れない層に
「音楽を届ける」
ことだと捉えておけば問題ありません。
今回は、シチュエーション別に、訪問演奏会で何を演奏すべきなのか考察します。
小学校以下(小学生・幼稚園・保育園)
大手の劇団組織が、無料で小学生・中学生を講演に呼んだりしますが、身もふたもないことを言ってしまえば、認知度を高めることと、イメージの向上、潜在的な顧客を増やす目的で行われています。
ただし、それはあくまでも劇団側の都合です。学校組織がわざわざ劇団の公演を見に行くのは、子供の情操教育のためです。
学校の教育というのは、生徒の論理的思考能力の向上、身体能力の向上、知識の獲得だけでなく、感情を理解する能力、感情を推察する能力の向上もプログラムとして企図されています。
つまり、教育機関が演奏家を招待するのは、もちろん知識の獲得も目的ですが、それ以上に情操教育のための面も忘れてはなりません。
では、何を演奏すべきなのでしょうか?
和音が効果的に使われている曲
小学校の教育に使われる曲は、基本的には単旋律で構成されており、合唱であっても、厳密には音程がバラバラの斉唱です。
子どもたちに音楽の楽しさ、及び「新しいものに触れる楽しさ」を感じてもらうために、3和音・4和音以上の和音が用いられている曲を演奏曲目に組み込んでみましょう。
弦楽器を使う曲
「弦楽器がなぜ鳴るか」「弦楽器がなる仕組み」を簡略にでも説明すれば、それはそのまま理科の授業になります。
理科の授業が陥りがちな落とし穴が、現実との関連をあまり感じられないことです。
しかし、構造を説明した後にそのまま実行してみれば、学校で習うことは学校で完結しているわけではないことを、音で実感してもらえるでしょう。
リズムが効果的に用いられている曲
クラシック音楽の弱点は、元々の源流に教会音楽(コーラス)を含んでいるゆえ、リズムを有効活用した曲が少ないことです。
近代以降になってしまいますが、メロディとハーモニーは変わっているのに、同じリズムを繰り返す曲が望ましいでしょう。
なお、特に中をつけなくとも分かると思いますが、不協和音が多用される曲はこのましくありません。子どもたちの和声感覚が育たないからです。
地域コミュニティ
地域コミュニティのための曲は、何よりもまず音量と単純さが重要視されます。
ロマンは以降になると、クラシック音楽は形式がどんどん複雑化しますが、あまり転調は多くないものがこのましいでしょう。
転調が多いと、平明さが失われます。
また、地域コミュニティのための訪問演奏会をするとき、行われるのはホールや会場ではなく、およそ残響が響かないような場所がほとんどです。
ピアニッシモはかき消されてしまうので、できるだけ音量の大きい、吹奏楽的な作品が良いでしょう。
スウィング・ジャズは別ですが、ジャズ的な作品は非ジャズファンを含むリサイタルに不向きです。
子供たちももちろん聴衆ですが、あくまでも決定権があるのは大人たちです。
両親世代が「教育に良い/教育に悪い」を判断します。
ですから、ポップスの編曲であっても、元の曲のイメージが良くないものであってはなりません。
老人ホーム
老人ホーム・介護施設で訪問演奏会が開かれるのは、もちろん余興・エンターテイメントとしての側面もありますが、第一に音楽療法のためです。
音楽を聴いたり、演奏したりすることは、認知症の予防や回想法としても働きます。
回想法というのは、高齢者が昔所有していたものなどを手に、その頃の記憶を語る療法をさしますが、高齢者の方が若かった頃の流行化、または童謡を演奏することがそのまま回想法にも繋がります。
「高齢者が知っている曲」ではなく、「高齢者が青春を迎えたころの曲」を演奏するよう心がけて下さい。
また、施設入居者が知らないような曲を演奏する際には、リラクゼーション的・イージーリスニング的な音楽が好ましいです。
認知的なスピードも落ちているため、アップテンポな曲はNGです。
しかし、あまりにイージーリスニング的だと、聴衆の印象に残らない可能性があります。
過去の度重なる研究から、モーツァルトの曲は演奏の満足度が平均的に高いことが判明しています。
まとめ
音楽と騒音の違いは、究極的には人間の主観でしかありません。また、演奏家が良いと思うものと、聴衆が良いともうものには、懸隔があります。
いつなんどきでも聴衆側に立つ必要はありませんが、訪問演奏会は例外として、聴衆側に要望・効果を上げることを至上目的としてみましょう。
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