武道の「演武」って何?誰が始めたの?
演武とは空手などの武術を人に見せることをいいます。
空手などを語る上では欠かせないもの。
しかしそうはいっても演武について具体的に説明してと言われても戸惑う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は演武とは一体何なのか、各種目の演武の採点基準について具体的にご紹介します。
■演武とは?
まずは演武について簡単に確認しておきましょう。
演武とは空手などの技を人に見せること。
「武を演じる」という意味合いがあります。
観客や審査員が見ている前で技、空手でいうなら「型」を披露するのです。
空手に詳しくない方は「組手」と呼ばれる対戦型を思い浮かべるでしょう。
しかし空手の演武の場合は、対戦相手がいないことが多く一人で型を披露するのが一般的です。
複数で行う演武の場合は「団体型の演武」と呼ばれます。
■演武と演舞の違いは?
演武と同じ読み方で「演舞」という言葉があります。
この二つはどのような意味があるのでしょうか。
演武は先ほどもご紹介したように空手などの武を演じることをいいます。
対して演舞は「舞」を披露すること。
そのため演武と演舞の読み方は同じでもまったく意味が異なります。
「よさこい祭りで演舞を披露する」のように使われます。
■演武は誰が始めたの?
そもそも演武とは誰がどのようにして始めたのかも気になりますよね。
日本国内での演武の歴史については、まだまだ明らかになっていないことが多くあります。
ただし古事記(日本最古の歴史書で712年に編さん)や日本書紀(奈良時代720年の歴史書)には、剣や矛についての記載が。
剣や矛は戦争の道具として使われますが、貴族などの娯楽の一環として演武が行われていたのかもしれません。
■演武の種類は?
そもそも演武にはどのような種目があるのでしょうか。
調べてみたところ、空手や少林寺拳法、合気道などの武道が多く挙げられています。
中には韓国の武道を代表するテコンドーにも演武があり、壮大なアクロバティック性が人気を集めています。
またヌンチャクや剣などの道具を使った演武も。
他にも空手には瓦割りや板割り、バット割りといったお馴染みの演武もあります。
■演武の採点基準は?
今度は演武の採点基準を見てみましょう。
・空手の採点基準は?
空手の採点基準についてですが、2019年1月より採点基準が変わりました。
これまでは審査員の採点ボードを基にした「スコアボード採点方式」
審査員が優れた演武者の方に旗を上げて勝ち進んでいく「旗判定方式」
のように2つの判定方式を用いていました。
これが2019年1月からは各審査員がiPadに採点を入力していき、点数を数字化していきます。
フィギュアスケートと同じような採点方式です。
採点基準としては「正しい呼吸法」「立ち方」「技の精度」などを採点する技術面。
「力強さ」「バランス」「スピード」といった運動能力面の二種類を審査員が採点していきます。
・少林寺拳法の採点基準は?
少林寺拳法の採点基準は、審査員5名によって採点されます。
技術面60点と表現面40点の持ち点があり、最高点と最低点の審判を引いた3人の審査員の合計点で判断されるのです。
技の完成度はもちろん、立ち方や気迫、目配りなども審査の対象になっています。
演武は1分以上1分15秒以内という短い時間しか与えられません。
もちろん時間通りに行なわなければ減点の対象にもなります。
・合気道の採点基準は?
合気道とは武道家の植芝盛平が大正末期に始めた武道です。
体術を主とした総合武道で、力で相手をねじ伏せるようなことはしません。
流れるような体のさばきを使って、相手よりも優位な状況を作るのが合気道です。
女性の護身術にも使えるため、力に自信のない女性でも合気道を習う人が増えています。
そんな合気道の採点基準は、少林寺拳法と同じ方法です。
5人の審査員がいて、最高点と最低点を除いた3名の審査員の点数で決まります。
■演武には規定型と自選型の2種類がある
演武は大きく分けて二通りあります。
まずは「規定型」といって教わったことや決められた動きをそのまま披露すること。
決まった順序や動きを崩さずに演武を行います。
共通した技を一人一人がどのように表現するのか、その違いを楽しむことができるのです。
技は同じでもタイミングや気迫がそれぞれ違って見えるのが規定型の醍醐味です。
対して「自選型」は自分で習った技を組み合わせる演武のこと。
自分自身が得意な技を披露できます。
好きな技を選べるので、競技者本人のモチベーションも上がってくるでしょう。
見る側も技のバリエーションを楽しめるといった長所もあります。
■まとめ
今回は演武とは何なのか、またそれぞれの採点基準についてご紹介しました。
サッカーやバスケットのように得点を取るスポーツとはちょっと違うのが演武の特徴です。
相手を倒すだけではなく、技術面や立ち方、気迫などによっても点数が左右されるのが演武。
演武で戦うべき相手は自分自身なのかもしれません。
今回の記事をきっかけに、演武の世界をもっと知ってみてくださいね。
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